映画『ブラックパンサー』画像付き詳細ネタバレ&感想レビュー【魅力的なヴィラン】

満を持しての単独映画化となるブラックパンサー

アイアンマンやキャプテン・アメリカをはじめ多くのヒーロー映画を作ってきたMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)。
10年目となる今年、これまで17作を作ってきたこの映画史に残る偉大なシリーズが一つの大きな節目を迎える。
2018年4月27日公開『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』だ。

その公開直前である今はマーベルファンの熱が最も高まってる。
そんなタイミングで公開されたのが今作『ブラックパンサー』だ。

マーベルの数多くいるヒーローの中でもトップクラスの人気を誇るヒーロー、その人気の大きな要因は彼が数少ないアフリカ人のヒーローであるからだ。
ブラックパンサーは既に『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でお披露目されており、帰ってきたスパイダーマンの登場に負けず劣らずの大反響となった。

ブラックパンサーは世界的には単なる小さな農業国とされるワカンダ出身。
そこはキャプテン・アメリカの盾でお馴染のヴィブラニウム鉱石が世界で唯一採れる国である。
この未知の力を持つ鉱石の技術を応用し、世界のどの国よりも発展した超先進国となっている。
しかしこの事実を知るのは、国を覆う目に見えない巨大なシールドを通り抜けることが可能なワカンダ人のみなのだ。
そしてブラックパンサーとはこのワカンダの若き国王でもある。


※以下ネタバレにつき、鑑賞前の方は閲覧注意です。




ワカンダの誕生秘話

オープニングは、父親に「あの話をして」とせがむ子供の声で始まる。
そして父親が話し始めたのは、ワカンダの誕生秘話だった。

かつて宇宙からアフリカの地へ飛来したヴィブラニウム、これは植物たちにも影響を与えた。
その地に5つの部族が住み始め、黒豹の女王により与えられたハーブで力を得た初代ブラックパンサーがこの地を治めた。
この時4つの部族は彼に従ったが、意を唱えたジャバリ族は山奥へと離れていった。
そして代々ブラックパンサーは、この強大な力を持つ鉱石を悪の手に渡さぬため誰にも知られることなく守り抜いてきたのだとー。

若き”前王”ティ・チャカ

舞台は1992年、カリフォルニア州オークランド。
マンションの前でストリートバスケをする黒人の少年たち。
曇った空では飛行船の光りが浮かび上がっていた。
マンションの一室では2人の黒人が作戦会議をしていた。

突然のノックの音に慌てて銃を隠すと、一人が覗き穴を確認する。
槍を持った女2人がいると告げられると、もう一人は諦めらめたように開けろと言う。
すると赤い衣装を来た丸坊主の黒人女性二人が槍を持って部屋に入る。
女に「仲間である事を証明しろ!」と言われると、一人がウンジョブと名乗り下唇を裏返して見せる。
するとそこには青い光があり、これがワカンダ人の証となるようだ。
女が納得すると一瞬明かりが落ち、次に点いたときには女の間にブラックパンサーの姿がった。
それを見るとウンジョブは膝をついて敬う。
ブラックパンサーがマスクを外すと、それは若きティ・チャカであった。
そしてウンジョブはこのティ・チャカの実の弟で、ワカンダの為アメリカに潜伏していた。

ティ・チャカはクロウという武器商人がワカンダを襲い、大量のヴィブラニウムを奪っていったと話す。
そしてそのやり方は明らかにワカンダを分かっていたと。
「彼には内通者がいた」と告げると、ウンジョブは「なぜそれを俺に話す?」と返す。
ティ・チャカは目を見て裏切ってないと言えと話すとウンジョブは答えてみせる。
しかしティ・チャカは「スパイはお前だけではない」と言う。
驚いた様子のウンジョブの横にいた男も同じように下唇を裏返すと、そこにはワカンダ人の証があった。
ウンジョブは「ワカンダ人である事を隠して俺の側にいたのか!」と彼を責める。
しかし彼の二重スパイにより、クロウへの内通者が弟であるウンジョブだと判明する。
ティ・チャカはワカンダで裁判を受けるべきだと告げる。

ストリートバスケをしていた少年が上空の飛行船に気づくが飛行船は去っていく。

暗闇のブラックパンサー

映像は現代のワカンダへ。
森の中を走る数台の車、連れ去った人々を荷台に乗せているようだ。
その様子をリアルタイムで連動するジオラマのような高度なテクノロジーで眺める国王ティ・チャラ。
脇には親衛隊のリーダーを務めるオコエが控え、彼女は手伝おうか聞くが止められる。
「止まらないでね」と忠告され、笑いながら「まさか」と答えティ・チャラはブラックパンサーの姿に身を包む。
そして手を交差し意を決すると飛行船の床が開き、数台の車の真上にパラシュートなしで自ら投下する。
その際丸い小さな球を各車のボンネットに投げると、エンジンが停止し男たちはパニックになる。

そして男たちが警戒しながら辺りを見渡す。
森の中に入った数人は野犬が上を向いているのを見つけ、その視線の先に目をやるとそこには彼がいた。
男たちはなすすべなく倒される

森に入った数人から無線が途絶え警戒する男たち。
次の瞬間男たちの背後からブラックパンサーが襲いかかる。
真っ暗闇の中マシンガンの閃光で浮かび上がるブラックパンサーのアクションシーンは最高にかっこいい。
混乱に乗じて人質の中から一人の女性が車を降りる。
幼馴染みのナキア、彼女の救出がこの襲撃の目的だったようだ。
ナキアの姿を見てティ・チャラが安心した瞬間、ナキアの背後で男が銃を構える。
するとそれを制したのはオコエであった。
ティ・チャラはやっぱり止まったと笑われる。

ナキアはワカンダのため各国でスパイ活動をしており、現在も自分の意思で人質となっていたようだ。
しかしティ・チャラは父の死を告げ、自身の王となる儀式に参加してほしいとお願いしナキアもこれを受け入れる。

生意気な可愛らしい妹

ナキアを乗せた飛行船はワカンダへ向かっていた。
一見その先には森で覆われた大自然と山しかないように見えるが、船が森の木々に進むと突如青い巨大なシールドを通過する。
するとシールドの中には高層ビルが建ち並ぶ近代的な先進国があった。

船の到着を出迎えたのは女戦士族たちと、ティ・チャラの妹シュリと母親ラモンダだった。
シュリはオコエからティ・チャラの失態を聞くと楽しそうに茶化す。
慣れた様子で対応するティ・チャラに、兵器の改良の話をする。
今のままで十分だと言われるも、今よりもっと良くすると言い後にするシュリ。
ならお前の儀式の服を改良しろと子馬鹿にされると背中を向けながら中指を立てると、これをラモンダに叱られる。

ラモンダに夫であり前国王のティ・チャカを守れなかったこと詫びるティ・チャラ。
しかしラモンダは咎めることはせず、お前が王になる日を彼も楽しみにしていたと話す。

壮観な”戦士の滝”

ワカンダ王の儀式は戦士の滝(ウォーリアー・フォールズ)で行われる。
谷の両側に大きな滝があり、その中の開けた場所が儀式の場となる。
ティ・チャラが降り立ったその広場から上に続く崖には、既に多くの部族が来ていた。
このシーンの映像はとても壮観だ。

まずティ・チャラに儀式を司る高僧のズリがあるモノを飲ませる。
これにより代々ブラックパンサーがハーブの力によって手にする超人的な身体能力を失うようだ。
そして王座には各部族から反対する者がいる場合挑戦できる伝統となっている。
これに4部族長がそれぞれ「挑戦権を放棄する」と宣言し、何事もなくティ・チャラがワカンダ国王になると思われた。
しかしこれに待ったをかけたのが、かつて4部族から離れ山に移り住んだジャバリ族であった。

ジャバリ族の長であるエムバクは貴重なヴィブラニウムでの開発を幼いシュリに任せている事に批判的のようだ。
そして若きティ・チャラも国王に相応しくないとし、決闘を申し出るとティ・チャラはこれを受ける。
それぞれの呼び声でエムバクとティ・チャラの親衛隊数人が槍を突き出し逃げ場のないように2人を囲う。
ズリから決闘はどちらかが死ぬか降参することで決着すると告げられ、続けて開始の合図で決闘がはじまる。

ジャバリ族エムバクとの決闘

巨躯を誇るエムバクに苦戦しながらも互角にやり合うティ・チャラ。
この男と男の無骨な肉弾戦シーンも迫力がある。
先に武器を失ったティ・チャラが不利に思えた中、エムバクの槍が胸に刺さり決着かと思われた。
しかしそれでも怯むことなく、最後は滝の崖っぷちでエムバクに絞め技を決め形勢を逆転させた。

降参する様子のないエムバクは「殺せ」と名誉の死を選ぶ。
だがティ・チャラに「命を落とす必要はない!降参しろ!」と訴えられギブアップする。
これにより無事ティ・チャラがワカンダの国王に任命された。

ハート形のハーブ

正式にワカンダ国王、そしてブラックパンサーを継ぐものとなったティ・チャラ。
儀式のため失ったハーブの力を、また取り込むための儀式が行われていた。
ハーブはこの場所でのみ栽培される貴重な植物だ。
土に横たわったティ・チャラの口に、ズリがすり下ろしたハーブを流し込む。
そして「先祖が現れますように」と呪文を唱えながらティ・チャラの全身を土で覆う。

ティ・チャラが目を覚ますと、そこは一風変わった場所であった。
木の生えた広大な土地、空は紫を帯びた幻想的な色合いの非現実的な空間だ。
すると目の前の樹の枝には数匹の黒豹が座っており、その一匹が樹を降りると人間の姿に変わった。
その黒豹は父ティ・チャカであった。
ティ・チャラは目の前まで行くと膝をつき、守れなかったと謝る。
しかしティ・チャカはそれを責める事はしなかった。
ティ・チャラは「もう父を頼ることができなくなってしまった」と嘆く。
「息子が一人立ちする前に世を去っては父親失格だな」と自称気味に返すティ・チャカ。
ティ・チャラは「父のように偉大な王になりたい」と話す。

ズリに起こされティ・チャラは砂の中から目を覚ます。

武器商人クロウと謎の男

ロンドンの大英博物館では、ある黒人が係員にいくつかの展示物の事を聞いていた。
いろんな部族のお面の説明を一通り受けた後、隣接する展示物のハンマーの事を聞く。
係員が答えると「それは違うな」と一言。
「これはヴィブラニウム製だ。先祖がワカンダから奪ったものだ」
「厄介なものは預かってやる」というと係員は「売り物じゃありません」と返す。
食い下がる男に不信感を抱き警備に追い出すよう伝える。
すると男は「俺より飲み物の事を気にしな」と係員の持つ飲み物をさす。
係員が飲み物に盛られた何かにより意識を失うと、係員を抱え「救急車を呼べ!」と叫ぶ。

救急隊が到着するとその一人はヴィブラニウム密輸でかつてウルトロンの暴走に一役買った武器商人のユリシーズ・クロウだった。
クロウは仲間と共にサイレンサー付きの銃で警備員たちを手早く始末する。
そして左手の義手でガラスを割り、ヴィブラニウムのハンマーを確認すると持ち去る。
監視室のカメラは職員として働いていた女性の一人が彼らの仲間で、映像をジャックしやり過ごしていた。
協力した男がリークした情報のようで、共に何事もなかったかのように担架に乗せ救急車へと運ぶ。
合流した職員に扮していた女はこの男の恋人のようだった。

国王としての行動

ティ・チャラは友達である国境(ボーダー)族の長ウカビの元を訪れていた。
巨大なサイを見て「こんなに育つのか」と感心した様子のティ・チャラ。
ウカビは「ナキアとヨリを戻すのか?」としばし会話していた。
そこに2人に同時に通信が入る。
応答するとオコエの半身が3Dで浮かび上がる。
どうやらウカビはオコエの恋人だったようだ。
オコエは2人に緊急事態だと玉座に来るよう告げる

オコエの呼び出しは、ロンドンの大英博物館でヴィブラニウムが盗まれたという情報だった。
そしてその犯人はかつてワカンダを襲ったクロウであると。
そのクロウが奪ったヴィブラニウムを売買する気だという。
ティ・チャラは彼は30年間捕まってないと警戒しつつも、今こそ行動すべきだと話す。
族長の一人は必要なのは戦士でなく国王だと諭されるも決意は変わらないようだ。
俺も行くというウカビにワカンダに残って守るよう告げる。
ウカビは必ずクロウを連れてこいと言い、ティ・チャラもこれを約束する。

シュリ開発の新スーツ

戦いにあたり新兵器確認にラボを訪れるティ・チャラ。
ここの責任者は妹であるシュリが務めている。

彼女は距離無制限の通信機・盗聴器や足音のしない”スニーカー”の他に新たなスーツを用意していた。
試しに攻撃するよう言われ、回し蹴りでスーツを吹っ飛ばしやりすぎだと怒られるティ・チャラ。
そしてもう一度と言われ同じようになると、スーツが衝撃波を出し攻撃したティ・チャラの身体を吹き飛ばした。
これは新スーツの機能で蓄積したダメージを一気に放出できるものらしい。
そしてシュリにも遠隔で協力してもらうと言うと彼女は大喜びし、自分の遠隔操作兵器をお披露目する。

釜山のカジノ

取引現場となるのは韓国・釜山の裏カジノ。
ここに向かったのはスーツ姿のティ・チャラとドレスを着たオコエとナキア。
以前スパイをしていた際の繋がりで商店のおばさんと挨拶をするナキア。
後ろの2人を疑われながらも通されると、店の裏から地下の巨大なカジノに繋がっていた。
取引相手であるアメリカ人の人数を確認していると、そこにはCIAのロス捜査官がいた。
どうやらヴィブラニウムの買い手は彼らしい。
以前(シビル・ウォーにて)交流のあるティ・チャラは彼に近づき、取引を中止するよう言う。
しかしロスはアメリカ政府の行動だと断る。
ティ・チャラはクロウを捕まえると宣言し離れる。

間もなくクロウとその仲間たちがカジノへと入ってくる。
武器を携帯したまま堂々と入り口前の金属探知機を通ってくる。
もちろん警報音が鳴るが誰も止めるよう様子はない。
ここでの得意先であるクロウ達は護衛の為の武器の携帯を許されているようだ。
クロウがロスに近づき会話をする。
そしてお互いのモノを見せる。
オコエ達が敵の配置を通信で連絡し合っていると、一人の男がオコエの不審な動きに気付く。
するとオコエが「バレた」と告げ口火を切る。
一転カジノ内は戦場となる。
銃を発砲する敵を物ともせず、オコエとナキアは次々に敵を制圧していく。

ティ・チャラはクロウを追い詰めるが、左の義手のヴィブラニウムの兵器から放たれた一撃により直撃を避けるも吹き飛ばされる。
その隙にクロウ達は車に乗り逃げ出す。

圧巻のカーアクション

一足先に追うオコエとナキア。
その際一台の車に発信機の様なものを付ける。
これによりラボのシュリがVRのような形でこの車を運転できるようになるというものだ。
ティ・チャラは起き上がると先に発信させるようシュリに伝え、走って追いついた車のボンネットに飛び乗る。
先に向かったオコエたちの車に敵が撃ちまくるも、ヴィブラニウム製の装甲により傷ひとつつかない。
するとオコエが窓から身を乗り出し、前の車の前方に槍を放つ。
ヴィブラニウム製の槍は車の突撃にも曲がる事なく、むしろ車を跳ね上げさせる。
追いつかれそうになったクロウも身を乗り出し義手からビームを放つ。
坂上り抜けた死角から撃たれ交わせなかったナキア達の車はこれをモロに喰らう。
ヴィブラニウムの兵器に撃たれてはさすがに原型を留めることなく破壊されるが、二人は大きな怪我は免れた。

その後最高にかっこいいカーアクションで追い詰めたティ・チャラにより義手が外され、クロウは成すすべなく捕まる。

尋問されるクロウ

CIAにより拘束されたクロウは尋問室のイスに縛られていた。
ロスが私が先にと尋問を開始する。
クロウはヴィブラニウム兵器の強大さを語る。
ロスに「だがそれを全て君が奪った」と言われると「あんなのは微々たる量に過ぎない」と返す。

尋問室を出たロスは、前王ティ・チャカはクロウの襲撃ですべてのヴィブラニウムを失ったと語っていたがあれは嘘か?とティ・チャラに問いかける。
ティ・チャラは「あいつの言う事を信じるのか?」と返す。

この時警察所の近くでは報道者に扮したクロウの仲間たちが救出のため爆弾を仕掛けていた。
一足早く気付いたナキアが部屋に入り警告する。
するとその瞬間尋問室の壁が破壊され、クロウが連れ出されてしまう。
ロスたちのいる部屋に手りゅう弾が投げ込まれると、ティ・チャラが自らの身体でこれを覆い衝撃を吸収する。
そのまま単身追いかけるティ・チャラだが、追いつく前に蓄積ダメージが放出され逃げられてしまう。
その際クロウの仲間の男の首から父ティ・チャカのネックレスをはっきりと確認する。

警察所に戻ると、そこではナキアを庇ったロスが脊髄に助からない致命傷を負ってしまっていた。
ティ・チャラはワカンダの文明のモノを使いロスの一命を取り留める。
そして彼を治療すると決める。
ただでさえ外国人な上にCIAであるロスをワカンダに入れれば全て話されてしまうと反対するオコエ。
しかしティ・チャラは「助けられる命を見過ごしはしない」と返す。

ウカビの落胆

ワカンダに運ばれたロスの容態をシュリが診る。
シュリは「また白人を治療できるなんて!」と嬉しそうだ。
3Dで脊髄の様子が浮かび上がり、これは治せると話す。
すると警報音のようなものがなり、シュリは「ウカビが来た」と言う。
ティ・チャラが一人入口に向かい対応する。
ウカビは「そこにクロウがいるのか?」と聞き「ここにはいない」と返される。
すると「前王は何もしなかった。お前は違うと思ったんだがな」と言い残していく。

前王ティ・チャカの過ち

クロウの仲間が父のネックレスをしていたことに強い違和感を感じていたティ・チャラはズリを問い詰める。
ズリはティ・チャカに口止めされていたと話す。

1992年のあの時、ウンジョブと一緒にいた二重スパイこそ若きズリであったのだ。
ワカンダで裁判を受けるべきだと告げ背を向けたティ・チャカ。
ウンジョブは騙されていた怒りからズリへと銃を撃つ。
すると咄嗟にそれを防ぎウンジョブの胸に爪を突き刺すティ・チャカ。
ズリを守るため反射的にとはいえ実の弟を殺めてしまったのである。

ティ・チャカはこの事実を隠蔽するため、ズリにこの事の一切の口外を禁じた。
そして当時ウンジョブには幼き息子がいた。
ストリートバスケをしていた飛行船に気づいた少年がそうだったのである。
ティ・チャカはすべてを消し去る為、この少年をアメリカに残し去ったのだ。
そしてクロウの仲間である男こそ、成長したウンジョブの息子だった。

男の目的

クロウを助けた男はワカンダに行きたいと話す。
あそこには行かないとクロウが返すと強硬手段に出る男。
クロウは男の恋人を人質にとる。
彼女は「ごめんなさい」と言うと男は躊躇わず彼女を撃ち殺した。
追い詰められたクロウは、ワカンダには入れないと言う。
しかし男は下唇を裏返して見せるとそこにはワカンダ人の証があった。
そして容赦なくクロウにとどめを刺した。

男はその足で単身ワカンダの国境へ来た。
ボーダー族のウカビ達が警戒しながら出迎える。
後ろのモノは何だと言われると「手土産だ」と返し中を見せる。
ウカビはクロウの遺体を確認した。

エリック・キルモンガー

ロスはラボのベッドで目を覚ます。
背中に手を伸ばすが怪我の後が感じられない。
近くで作業をしていたシュリに声をかける。
あれから1日寝ていたと言われ「1日で銃跡が完全に消えるはずがない」と返す。

そして窓から見えるヴィブラニウムを運ぶリニアモーターカーの規模に驚く。
シュリはもうすぐ兄が来ると伝え待っていると通信が入る。
ある男が来たと画像が映し出される。
されはクロウを殺したあの男だった。
ロスはそれを見て「エリック・キルモンガー」とつぶやく。

その頃ティ・チャラはナキアと2人でいた。
「ここにいてくれ」と言われるも「儀式に参加しに来ただけ」と返すナキア。
するとティ・チャラのもとにはキルモンガーが戻ってきたという情報が入る。

キルモンガーの目的

玉座ではティ・チャラと部族長たちがあの男は何者だと話していた。
その時ギルモンガーがウカビと共に玉座に入ってくる。
ティ・チャラの王位に決闘を申し込むギルモンガー。
事情を知らぬ部族長や母ラモンダは声を荒げるが、一人事情を知るティ・チャラはこれを受ける。
そして部屋を去る前ギルモンガーは「お前は誰だと聞け」とティ・チャラに言う。
これに応じないティ・チャラだが部族長の1人が声を上げる「お前誰だ!」
「エリック・キルモンガー!ウンジョブの息子だ!父の死体の胸には爪の後があった!」
当然信じようとしない長たちにティ・チャカのネックレスを見せる。
ラモンダはこれを受け取ると確かに本物だと悟ったようだ。

ティ・チャラとギルモンガーの決闘

ティ・チャラは再びハーブの力を失い、戦士の滝で決闘が行われる事となった。
拮抗した試合だったが、ギルモンガーが上手でティ・チャラにとどめを刺そうとする。
するとズリが突如ギルモンガーの邪魔をする。
過ち認め「私を殺せ!」と言うとギルモンガーは容赦なくズリの胸に槍を突き刺す。
嘆くティ・チャラだが抵抗する力は残っていない。
ギルモンガーはティ・チャラを担ぎ上げると、遥か底へと続く滝つぼに落とした。
そして新王の誕生を宣言する。
ラモンダ、シュリとナキアはすぐにその場を逃げ出す。
部屋に閉じ込めていたロスとも合流し一緒に逃げる。

キルモンガーはブラックパンサーを継ぐものとしてハーブの力を受けることに。
いくつもあるハーブを見るとそれを全て焼き払うよう命じる。
その場に忍び込んでいたシュリは焼き払われる前にハーブの一つをくすねる。

ジャバリ族のエムバク

ナキアに共に行こうと言われるオコエだが、王座に忠誠を誓ったと残ることを決意する。
ナキア達はこのハーブをジャバリ族のエムバクに飲ませようと考えていた。
エムバクは話を聞くと4人をある場所へ案内した。
そこにはティ・チャラの姿があった。
漁師が川で打ち上げられていたところを拾ってきたのだと言う。
そしてラモンダがティ・チャラにハーブを飲ませる。

ティ・チャラは死後の世界でティ・チャカに共に来るよう言われていた。
しかしなぜあんなことをしたのかと父を責める。
ワカンダのためだったと語るティ・チャカ。
ティ・チャラはこのままワカンダを見捨てて死ぬ気はないと言い放ち目覚める。

エムバクはティ・チャラと2人で話をする。
命を救ってもらったから救っただけだと。
軍の力も必要だと言われるもそっちの戦いに参加する気はないと断る。

ギルモンガー王の正義

死後の世界で父親との会話も済ませたギルモンガーは、世界中の弱者を救うためヴィブラニウムを世界中にばらまくつもりのようだ。
輸送機を発信させる。
すると一機が撃墜され、爆炎の中からティ・チャラが現れる。
ウカビ率いるボーダー族が襲いかかる。
オコエ率いる女戦士たちはギルモンガーを裏切り立ち向かう、ギルモンガーもスーツに身を包み応戦する。
ティ・チャラはスーツの新機能を用いつつ敵を圧倒する。

オコエ達を吹き飛ばし撃退したギルモンガーの前にナキアとシュリもラボに忍び込んで得た兵器で応戦する。
その頃ラボではシュリに「元パイロットでしょ」と無茶ぶりされたロスがVR機能で飛行船に乗り輸送機を撃墜するよう任されていた。

戦場ではボーダー族のウカビが角笛を吹くとサイ達が流れ込む。
形成を逆転されオコエ達はボーダー族に追い詰められていたところに、ジャバリ族のエムバクが現れる。

ロスのいるラボは敵の飛行船に襲われていた。
すぐ逃げるべきと言われるもシールドの残り時間を聞き輸送機の撃墜を続行する事を決意する。
そしてシュリからの無線で助けられつつ、見事輸送機を撃墜してみせた。
飛行船からの攻撃も間一髪免れた。

キルモンガーとの決着

地下のヴィブラニウム採掘所で一騎打ちをするティ・チャラとギルモンガー。
シュリにリニアモーターカーを走らせるよう指示すると、走行時ヴィブラニウムの力を抑制する光が放たれる。
行き交う列車により肉弾戦を交えつつも、二人の決闘はティ・チャラがナイフをギルモンガーの胸に刺し勝利する。
ギルモンガーは「父はワカンダの夕日は何よりも美しいと話していた。おとぎ話を信じるなんて馬鹿らしいだろ」と笑う。
ティ・チャラは瀕死のギルモンガーを担ぐと採掘場の入口である黒豹の巨大なオブジェの前に連れて来る。
そこには美しい夕日に照らされる広大な大地があった。
「この光景は確かに美しい」と話すティ・チャラ。

とどめは刺す気のないティ・チャラだが、ギルモンガーは鎖に繋がれて生きる気はないと言う。
死体は祖先のように死体は川に流してくれと続けると、胸に刺さったナイフを抜き絶命する。
ティ・チャラは死体の上で手を組む。

エンドロール後 その1

ウンジョブはスパイ活動で世界を見て、救わなければいけない命がたくさんある事を知った。
そしてそれはヴィブラニウムを使えば正せると。
しかしティ・チャカに反対されることは分かっていた為クロウに情報を流した。
ギルモンガーも同様にヴィブラニウムの力を世界に示すことで、乱暴にではあるが弱者を救おうと行動した。
ティ・チャラはこれらの正義も尊重し、これまでの制作を改め世界にワカンダの文明と技術を提供し支援すると国連で宣言した。
国連の一人が問う。
「しかしワカンダは農業国では?」
ティ・チャラは笑みを浮かべる。

エンドロール後 その2

とある部族の村。
村の子らしき顔を白く塗った子供たち3人が、興味津々に寝ている男の顔を覗き込む。
すると男が気づいたようで少年たちは家を出て外にいるシュリに抱き着く。
シュリは「またイタズラしてたの?」と笑う。

起きた男が外に出てくると、その男はバッキーだった。
シュリが「バーンズ軍曹、調子はどう?」と話しかける。
「バッキーで良い。調子は良い」と答え「ありがとう」と続ける。
シュリは「あなたには聞きたいことがたくさんあるの!」と楽しそうに話すと、バッキーを連れ歩き出した。
バッキーの左腕に義手はなく布に覆われている状態だった。


かつてウンジョブとキルモンガーが住んでいたマンション前でストリートバスケする少年たち。
そこにはティ・チャラとシュリの姿があった。
マンションには立ち入り禁止の文字。
「取り壊されるようね」というシュリ。
ティ・チャラは「いいや、私が買い取ったんだ。ここも、そこも、あそこもね」と返す。
ここにワカンダと世界をつなぐ施設を建設するようだ。
そしてそこにシュリも置くと言われると彼女は喜んだ
そしてコートに降り立つ飛行船。
バスケをしていた少年たちは興味津々で近づく。
「分解して売ろうぜ」という少年たちに「それはやめといた方が良いよ」と笑ながら話しかけるシュリ。
その中の一人の少年がティ・チャラを見て「これおじさんの?」と聞く。
そして「おじさんは誰?」と聞かれるとティ・チャラは笑みを浮かべる。



【感想】

※ネタバレ記事について
本記事は鑑賞後、記憶を頼りに殴り書きしたものとなります。
一部時系列やセリフ等の間違いがある可能性がありますが、ご了承ください。

作品について

2018年3月1日、公開日にTOHOシネマズ新宿にて12時30分からのIMAX3D初回にて鑑賞しました!

感想としてはうまくまとまっていたかなと思います!
本編時間は2時間15分と他の作品よりやや長めですが、中だるみする事なくつくられていました。
アクションシーンも暗闇で照らされる動きは新鮮でかっこよく、カーチェイスなんかも最高でした。
武器を用いない近接肉弾戦なので他の作品ほどの派手さはありませんが、ブラックパンサーの見せ方としては文句なしだったかなと!
そして改めてチャドウィック・ボーズマン演じるティ・チャラには気品が感じられてハマり役だなと感じました。

本作は撮影前に5ヶ月を要して俳優・女優達にスタントの稽古をしたそうです。
さすがの作りこみですね…!
そんな中でも主演のチャドウィック・ボーズマンはスクリーンに映るアクションシーンの95%が彼自身で演じているというからびっくりです!

本作は映像がとても綺麗でした。
民族の各衣装から、壮観なロケーション、そして死後の世界の空は美しくて吸い込まれうな神秘性を感じました。
メイク・ヘアメイクも凝っててどこを見ても飽きないなぁ~と関心しました。

キャストについて

今作はストーリー以上に魅力的なキャラクターが多かった印象です。
びっくりしたのはアンディ・サーキス演じるユリシーズ・クロウの死ですね…!
てっきり彼がラスボスだと思っていたので。
尋問シーンなんかはジョーカーのような狂気感もあり、ティ・チャラに義手キャノン当てた後の一人で興奮してるシーンとかも最高でした笑。

魅力的な敵が死んじゃったなーと思ったら真のラスボスであるキルモンガー。
マイケル・B・ジョーダンも良かったですね~!
かっこいいし強くて、思想こそ極端で危険だけど父の雪辱を晴らすがごとく一時はワカンダ国王の地位につきましたし。
死に際、『シビル・ウォー』ではジモの自殺を止めたティ・チャラでしたけど、キルモンガーには申し訳なさもあって彼の意思を尊重したんでしょうね。
敵ながら惜しいキャラが死んでしまったなという感想です。
本国ではキルモンガー人気がすごいみたいですね笑。
見たらそりゃ惹かれるのも分かるって感じです。

今作印象的なキャラの一人が妹のシュリ思います!
シリアスな作中彼女はずっと明るくてポップで笑わせてくれます。
しかも天才すぎません??笑
登場シーンから可愛らしくて面白い子だなと思ったら全編ずっと良かったです!
ロスの治療の際白人2人目と言ってましたが、あれはその間にバッキーを治療していたという意味だったんですね!

個人的に嬉しいサプライズはマーティン・フリーマン演じるロスの大活躍!笑
『シャーロック』が好きなので大好きな俳優の一人です。
MCU登場に湧いたもののCIAだし敵なのかな~とちょっと残念でした。
ですが今作は思いっきり味方になってくれましたね!笑
それに登場シーンもほぼ全編ガッツリでしたし、最後にはかっこいい見せ場もあって大満足です!
クロウを演じるアンディ・サーキスは『ホビット』でゴラムを演じているので、ビルボとゴラムの再共演もあったのが熱かったです笑。

観終わった後知ってびっくりしたのが、ナキアを演じた女優さんの名前です。
ルピタ・ニョンゴ!ってあの『それでも夜は明ける』の!!ってなりました。
間違いなく名作だけど重すぎて万人にはお勧めできない映画の『それでも夜は明ける』
あの作品を名作たらしめていたのがルピタ・ニョンゴのパッツィーの演技だったと思います。
彼女はパッツィーの役で見事アカデミー賞助演女優賞を受賞しています。
なんか…ティ・チャラとお幸せに!!本当に!!!って思いました笑。

ウォーキング・デッドのミショーンでお馴染みのダナイ・グリラが演じるオコエも期待通りのキャラクターでした。
アクションは相変わらず素晴らしいですね。
カジノでの無双シーンとか最高でした!

そういえばでエンドロール後に「おじさん誰?」と聞いていたあの少年。
『ムーンライト』でリトルを演じていたあの子なんですね。
やはり良い表情してます。

そして今作ももちろんのスタン・リーお爺ちゃん登場シーン。
TOHOシネマズ新宿で初回に行ったので外国人が多かったのもあり、カジノでのあの場面は大ウケでした笑。
やっぱりMCU作品は劇場のノリが良い初日が楽しいですね!
ロスの登場シーンもおおってなりましたが、何と言ってもバッキー登場シーンは湧きましたね~!

余談ですが今作は特別版パンフレットないんですね笑。
もうしばらく2種売りだったと思いますがなぜか今作は通常版のみ。

感想まったくまとまってませんがいやはやインフィニティ・ウォーが待ちきれません!!

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